ファクタリング会社の前身事業にはどんなものがあるのか?
公開日:2020.06.04
最終更新日:2022.03.28
ファクタリング会社選びにおいて、その会社の前身事業はある意味でとても重要になります。例えば、前身事業において手形割引などをおこなっていたのであれば、売掛先企業の信用力調査や財務分析に関するノウハウがあり安心です。そこで日本のこれまでのファクタリング業界やファクタリング会社に多い前身事業について取り上げていきます。
日本のファクタリング業界
ファクタリングの歴史についてお伝えしたコラムにもあるように、ファクタリングはイギリスで始まり、アメリカで発展してから日本にやってきました。しかし、本格的に今のようなサービスが生まれてきたのは、2003年と2009年の貸金業法改正を経た2010年頃からです。
今では100社以上ものファクタリング会社が事業展開していますが、そのほとんどの会社の事業歴はまだ20年にも満たないのです。それほどの短い期間に100社以上もの会社が同じ業界に誕生してきたのは少し驚きともいえますが、それには理由があります。
その理由とは多くのファクタリング会社が前身となる事業において金融関連のサービスを手がけてきたことです。つまり、全くの異業種がある日突然にファクタリングサービスの提供を開始したのではなく、前身事業において既に類似するサービスを提供してきており、ノウハウやスキルが会社内に蓄積されているのです。
そのため、ファクタリング会社としての業歴は短くても、既にサービスの提供を開始した時点でベテランともいえるほどの実績のある会社があります。その一方で全く新たに異業種から始めた会社ももちろんあります。
そのような会社の中には大きな資金力を活かしながら、思い切った手数料体系を設定したり、他の金融サービスも利用しやすい環境を整えたりしています。前身事業が金融系という会社とは全く別の新風を業界内に吹かせているともいえます。
前身となる事業にはどんなものがあるのか?
そこで次にどのような前身事業があるのかについて簡単に見ていきましょう。
貸金業者・手形割引業者
ファクタリング業界に参入してきた業者の中ではもっともファクタリングサービスに近い経験とノウハウを有するのが、貸金業者や手形割引業者です。これらの業者は既存の事業を拡大させるためにファクタリングサービスを新たに展開させてきた場合とそれまでの事業を撤退して算入してきた場合があります。
いずれも、2003年と2009年に改正された貸金業法によって、貸金業者に厳しい登録制度が課されたことがきっかけとなっています。この貸金業法の改正で貸金業者として登録できなかった業者がファクタリング会社に鞍替えして始めた会社もあります。
これらの会社は独立系ファクタリング会社とも呼ばれ、銀行系ファクタリング会社のように親会社がありません。そのため、提供されるサービスには銀行系ファクタリング会社や消費者金融系ファクタリング会社には無いような独自色があり、少額買取りに対応したり、2社間ファクタリングにも強い会社があります。
金融系ファクタリング会社
銀行や消費者金融などが立ち上げたファクタリング会社です。銀行融資の対象にならないような顧客を取りこぼさないためにそのような顧客の獲得も視野に入れています。消費者金融もそうですが、
銀行はある一時、銀行業以外の事業拡大をめざしていた時期がありました。ファクタリング会社もビジネスとしての旨みが十分にあるために参入してきましたが、他の系列のファクタリング会社に比べると審査も厳しく、3社間ファクタリングの提供のみとしているなど保守的な事業運営が見られます。
製薬会社・医療機器会社
レセプト報酬など医療行政や医療全般に理解のある製薬会社や医療機器会社が業務の一部として「診療報酬ファクタリング」、「介護報酬ファクタリング」、「調剤報酬ファクタリング」を展開しています。未回収リスクの低さから旨みのある業界ということで新規に参入してくる会社もあります。