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ファクタリングの平均利用額

公開日:2020.05.29

最終更新日:2022.03.28

ファクタリングを利用している会社の利用額は幅広い業種や事業規模によってまちまちです。ファクタリングの利用を検討中の場合、ファクタリングが平均してどれくらいの利用額があるのかについて興味のあるご担当の方も多いのではないでしょうか。そこで今回はファクタリングの平均利用額やそのような平均利用額となる要因などについて解説していきます。

250万円程度とされる平均利用額

一般的なファクタリングの平均利用額ですが、およそ250万円となっています。この数字はあくまで平均値ですので、売掛債権額の大きい業種や事業規模の会社から非常に小さな業種や規模の会社、さらに個人事業主まで様々な会社の利用額が母集団に含まれています。

従って、平均値ということで利用額が数千万円から億単位レベルにも及ぶ少数の大口利用者が全体の平均を釣りあげているという事情も理解しておく必要があります。これがデータを小さい順に並べて真ん中に来る値を示す中央値にすれば、もっと利用額は小さくなると考えられます。また、ファクタリング利用している企業の過半数が200万円未満で、法人と個人事業主の割合は7対3としているデータもあります。

業種で異なる利用額

業種によって取引金額は大きく異なるため、必然的にファクタリングの利用額にも差が生まれます。例えば、1人当たりの客単価が1,000円の飲食店と商業ビルやマンション一棟の建設を受注し、契約金額が数億円から数十億円にも及ぶ建設業では売掛債権額は大きく異なるのは当然のことです。

後述する事業規模による違いもあるため、一概に業種だけで利用額の大小を決めつけるのは難しい面もあります。しかし、やはり契約金額や取引額の大きい建設業や製造業などの業種は小売業や飲食業などに比べると売掛債権額は大きくなるといえるでしょう。そのため、買取上限額の大きいファクタリング会社との取引を選ぶ傾向が見られます。

反対に客単価の小さな小売業や飲食業の場合、買取下限額が小さいファクタリング会社のほうが利用しやすいためにそのような会社を選ぶ傾向があります。また、ファクタリングの利用頻度や利用企業の数では小売業や飲食業のほうが、建設業や製造業よりも多いといえるでしょう。そのため全体の平均利用額をどうしても引き下げる傾向があります。

事業規模でも大きく異なる利用額

事業規模が小さければ取引金額も小さくなり、その逆もまた然りです。建設業でも大手になれば個々の建設プロジェクトは億単位以上の取引が当たり前です。また、同じ業種でもどれくらいの事業展開をしているかで取引金額は異なってきます。

例えば、客単価の小さな小売業でも、個人経営や地方で複数店舗を運営している会社と日本全国チェーンで事業展開している会社とでは単価が小さくても取引金額は大きく異なってくるでしょう。

さらに東証一部上場企業ほどの事業規模がある会社の場合、そもそも資金力自体が大きく、さらにメインバンクもついているので資金調達手段にファクタリングを利用する必要がありません。特に日本の大手企業の場合、メインバンクの存在は資金調達手段の中で未だにもっとも大きな存在です。従って、ファクタリングを利用する会社は必然的に資金力の面で弱い企業や銀行のサポートが薄い会社によって利用されることが多くなります。

少額買取りのほうが多い理由とは?

少額買取りのファクタリングが大多数を占める理由にはいくつかあります。その中で一番の理由は事業規模の小さな法人や個人事業主のほうが、経営基盤が脆弱で資金力も乏しい傾向があるからです。

そのため運転資金が上手く回らずに事業継続に必要な仕入れのための資金を欠いたり、取引先から売掛債権の入金が遅れたりするだけでたちまち資金が枯渇するところもあります。特に創業間もない会社の場合にはこのような傾向が強く見られます。順調に売上を伸ばしていても取引先からの入金遅れや回収不能などが原因で黒字倒産になった事例が過去にたくさんあります。

このような規模の会社では、日本政策金融公庫や地方自治体など公的融資の利用も多いですが、急な資金ニーズには対応しきれません。公庫などでも緊急融資の制度がありますが、ファクタリングのように最短で即日から遅くとも数日以内で資金が融通されるのは現実的に考えられないでしょう。そのため、事業存続のために急な資金調達方法として利用しやすいファクタリングが多く活用されているのが実情といえるのです。

少額買取りが多い別の理由として考えられるのが、必要な調達資金の額によって銀行融資とファクタリングを使い分けている会社の存在です。ファクタリングは中小企業を中心に資金繰り悪化を改善させたり、負債にならないためにバランスシートを肥大化させない資金調達方法として定着してきています。

しかし、公庫や銀行融資の貸出金利に比べるとその手数料は決して低いとは言えません。そこで通常の運転資金は付き合いのある公庫や銀行からの借入から調達し、少額のつなぎ資金など急な資金ニーズを満たすためにファクタリングを使う会社があります。このように資金ニーズや必要な調達額の大小による使い分けもファクタリングの平均利用額を引き下げている要因の一つと考えられています。

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