ファクタリング~保証型と買取型で異なる点と類似する点とは?
公開日:2020.05.29
最終更新日:2022.03.28
ファクタリングには大きく分けて保証型と買取型があります。今回は保証型と買取型のサービスにはどのような違いや類似点があるのかについて解説していきます。
保証型ファクタリングと買取型ファクタリングの概要
まずはそれぞれのファクタリングの概要についてお伝えします。
・保証型ファクタリングとは?
保証ファクタリングは売掛先企業の破綻等によって売掛債権の回収ができなくなった場合にファクタリング会社がその保証をしてくれるサービスです。従って、保証型ファクタリングはファクタリング会社が売掛債権を買い取って入金される買取型と異なり、資金調達を目的としていません。
保証ファクタリングは主に着工から竣工して工事代金が入金されるまでの期間が長い建設業で利用されています。建設業界では入金されるまでの期間が長く、その間に売掛先が倒産するリスクが高いという特徴があります。ファクタリング会社が保証してくれることで、入金までの期間が長い契約でも資金面で不安なく取引することができます。
・買取型ファクタリングとは?
買取型ファクタリングはファクタリング会社が売掛債権を買い取り、掛目から手数料を差し引かれた後の資金を入金してくれるサービスです。日本では買取型ファクタリングの多くがファクタリング会社に償還請求権の無いタイプとなっています。そのため一度現金化されて入金されれば、売掛先企業の破綻等で売掛債権が未回収となっても、ファクタリング会社に受けた資金を返金する義務がありません。
買取型と保証型の違いとは?
保証型ファクタリングと買取型ファクタリングの違いをまとめてご紹介していきます。
・資金調達までのスピード
買取型と保証型で最も大きな違いの一つとなるのが、資金調達するまでのスピードになります。保証型ファクタリングは売掛先企業の債務を支払保証するサービスですので、ファクタリング会社が支払期日よりも前に資金を入金してくれるわけではありません。
一方で買取型ファクタリングの場合、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡しますので売掛債権の期日が到来する前に資金調達が可能です。買取型は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで資金調達までのスピードが異なります。
3社間ファクタリングの場合、利用されるファクタリング会社にもよりますが「2日間~5日間」です。2社間ファクタリングになると「即日~3日間」と非常に短い期間での調達が可能です。
・ファクタリング利用の事実が知られない状態での利用の可否
保証型の場合は債務者である売掛先企業に通知などをおこなうことなく、利用企業とファクタリング会社との間で契約が締結されます。売掛先企業の破綻等によって売掛債権が未回収となった場合にその支払いが保証されるだけで、ファクタリング会社と契約した事実が取引先に知られることはありません。
買取型の場合も2社間ファクタリングなら売掛先企業や取引先企業にファクタリングを利用した事実は知られずに済みますが、3社間ファクタリングの場合は話が変わってきます。3社間ファクタリングはファクタリング会社が売掛先企業に売掛債権の債務譲渡についての承諾を得たり、債務譲渡の事実についての通知をおこないます。。
従って、売掛先企業にはファクタリングの利用事実が知られてしまうことは避けられません。また、売掛先企業に知られると関連する取引先企業にも話が伝わってしまう可能性もあります。
保証型と買取型の類似点とは?
保証型ファクタリングと買取型ファクタリングには違いだけでなく、類似する点もあります。
・売掛債権に対する未回収リスクの回避
掛け売りした場合には売掛先企業が資金繰りに窮したり、経営破綻などにより支払能力がなくなって資金が回収できなくなる場合があります。よく耳にする黒字倒産などは多くの売上があっても資金が上手く回収できず、運転資金が急にショートして事業継続が難しくなった場合に起こるものです。
しかし、保証型も買取型もファクタリング会社が売掛債権の未回収リスクを負うことになるため、そのような心配が要りません。保証型の場合は未回収があると、予めファクタリング会社によって設定されている上限額までが保証されます。買取型はファクタリング会社が売掛債権を買い取り、振り込まれる代金については返金せずに自由に事業資金として使えます(償還請求権無しの場合)。
・与信管理の省略
取引先からの代金未回収などを避けるには適切な与信管理が重要ですが、規模の小さい会社などにとっては大変な作業です。与信管理とは、既存の取引先だけでなく新規の取引先を開拓した場合も含め、個々の会社の信用力や財務状況などを分析し、取引限度額や与信枠を管理することです。
ファクタリングなら保証型でも買取型でも与信管理の手間から解放してくれます。万が一未回収となった場合にはファクタリング会社がそのリスクを負っているからです。特に人材難などの理由で適切な与信管理をおこなうことが難しい場合や事業が急速に拡大し、黒字倒産のリスクを避けたいような企業の場合、ファクタリングの利用は検討の余地があります。
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