手数料交渉と比較の重要性
公開日:2020.05.29
最終更新日:2022.03.28
ファクタリングにはすぐに資金調達できるなどメリットがたくさんある反面、手数料についてはよく検討する必要があります。手数料が高ければ、資金調達できる入金額が減ってしまいますので、手数料はファクタリング会社を決める重要な要素となります。そこでこの記事では手数料を下げるために大切なポイントや方法について解説していきます。
まずは知っておきたい手数料相場
手数料を下げる前にまずは適正な手数料相場について知っておく必要があります。手数料相場を知ることで提示される手数料が適正かどうかの正しい判断がくだせるからです。
・2社間ファクタリングの場合:およそ10%~30%
・3社間ファクタリングの場合:およそ5%~10%
手数料の相場は例外もありますが、大半の手数料が上記の範囲で収まっています。この相場よりも明らかに高い手数料を提示された場合、避けたほうがいいファクタリング会社と言えるかも知れません。
法的な規制のないファクタリングの手数料
ファクタリングの手数料について理解しておきたいのが、ファクタリングには手数料を規制するための法的な根拠が何もないという点です。そのため利用手数料については基本的にファクタリング会社の任意で決められることになります。相場より明らかに高い手数料であっても、民法では当事者間の契約の自由がありますので、法的に無効にはなりません。
これが銀行融資やカードローンなどになると「貸金業法」「利息制限法」「出資法」といった法的規制を受けることになります。これらの法律によって、手数料に相当する貸出金利には上限が設定されており、それを超える金利を顧客に課すと違反となります。
ファクタリングは貸金業と同じように考えられている場合もありますが、正確には貸金業ではありません。従って、ファクタリングの場合には貸金業のように金利上限を定めるような法的規制がないために手数料設定はファクタリング会社次第ということになっています。ただし、実際には闇金業者など違法な業者を除いて、手数料は先ほどご紹介した手数料相場の範囲内で設定されている場合がほとんどです。
実は交渉の余地がある手数料
ここまでお伝えした中で手数料については、それを規制する法律がないことやファクタリング会社のさじ加減によって審査結果が変えられる要素があることがわかりました。つまり、実際にはファクタリング会社が提示する手数料については交渉する余地が残されています。そこで交渉するために大切になってくるポイントについて解説していきます。
【相見積もりの重要性】
手数料を交渉するための第一歩として重要なのが、複数のファクタリング会社から相見積もりを取ることです。ファクタリング会社が増加しつつある現状では、顧客獲得のための競争が激化しています。複数の会社から手数料の見積もり提示を受けることで、重要な交渉材料とすることができます。
相見積もりしてもらった会社の中で法外に高い手数料の会社は論外としても、相場よりも明らかに安い手数料を提示する会社には注意が必要です。もし、どうしてもそのような手数料が魅力で気になる会社があれば、その理由や取引条件について詳細に聞いてみる必要があります。ただし、あまりに相場からかけ離れている場合は違法な業者の場合もありますので、避けたほうがいいでしょう。
【手数料交渉するための材料や駆け引きの方法】
手数料を交渉するためには有効な材料があります。以下に挙げるような資料を提出することで手数料交渉が有利に働く可能性があります。
・決算資料・納税証明書・事業計画書
・取引先との契約書
・これまでの金融機関の入出金明細
・過去の返済実績を示す資料
ファクタリング会社では取引の継続が期待できそうな顧客企業は獲得できるとメリットが大きいため、手数料の交渉では有利です。特に取引先との契約書は売掛債権が過去において実際に発生していたことの証明になります。
また、新規の契約書であれば今後も売掛債権が発生する根拠として評価されます。
契約書に対して銀行の入出金明細があれば売掛債権が契約書の内容通りに発生し、その裏付けとして実際に入金があったことの証憑書類となるでしょう。
また、過去に締結されたファクタリング会社との契約書と上記の入出金明細があれば、返済実績を証明してくれます。そのような資料の提示は売掛債権を買い取る顧客として問題のない企業であることのアピールになります。
また、実際の駆け引きとしては以下のような姿勢で臨むことで手数料が下げられる可能性があります。
・相見積もりの結果から手数料の低い会社を選ぶつもりであること
・資金の必要性はあるものの、急いでいないこと
手数料交渉に限らず交渉では、相手に自社の不利な状況を見せず、むしろ有利な点をアピールしていくことが鉄則です。特に優良顧客や取引継続が期待できそうな場合、自社と契約してもらうために手数料面で有利な条件を出してくることも十分に考えられます。
ファクタリング会社間では常に顧客獲得の競争が絶えず、一件でも多くの新規案件を獲得したいというのが実情となっています。自社にとって少しでも有利になる材料や駆け引きをすることで、手数料を下げる交渉をおこなうことは十分に可能です。
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