「闇金融」に注意
公開日:2020.06.04
最終更新日:2022.03.28
ファクタリングを利用する事業者が気をつけなければならないのが、通称「ヤミ金」「闇金」とも言われる闇金業者の存在です。闇金業者はファクタリングにかこつけて、実際には違法な高金利での貸し付ける話に切り替えたりします。そこでまず闇金業者がどのような点から違法なのかについてお伝えしていきます。そして闇金業者を見分け、被害に遭わないようにするために典型的な手口についてご紹介していきます。
ファクタリングを装う闇金業者がなぜ違法なのか?
闇金業者がそもそもファクタリングを装って違法となる主な理由は、その行為がファクタリングではなく、実質的に違法な貸金業を営んでいるからです。ファクタリングは本来、ファクタリングに申込んだ会社や事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛先企業の支払期日よりも前に資金を調達する仕組みです。
ファクタリングは売掛債権を譲渡する単なる売買契約にすぎません。つまり、ファクタリング会社として業務を営む場合、銀行融資ではないために貸金業法の貸金業者として金融庁に登録する義務もありません。また、貸金業者に適用される利息制限法も関係ありません。そのため、ファクタリングの利用者に対しては自由に手数料を設定することができます。
しかし、闇金業者の場合、ファクタリング・サービスの話を持ち掛けておきながら、途中で話を巧みに貸付けの話に切り替えていきます。そして法外な金利を取りながら、違法な貸し付けをおこないます。このような貸付けをおこなうには先ほどお伝えした貸金業者の登録をおこない、利息制限法に基づいて貸付金利は法定上限金利の範囲内に収めなければなりません。
しかし、闇金業者の場合はこのような貸金業者登録もせず、利息制限法で定められている上限金利をはるかに上回る金利を騙した利用者から貪りとります。そのため、これまでファクタリング会社を装った闇金業者が多数摘発されてきています。
闇金業者の手口
闇金業者が使う手口では、いずれも3社間ファクタリングではなく、2社間ファクタリングの話を持ち掛けてきます。その理由としては2社間ファクタリングの場合、債権譲渡通知や債権譲渡に関する売掛先企業の承諾が必要ありません。つまり、売掛先企業のような第三者が介入せずに利用する企業や事業者と相対の取引となるため、闇金業者の好き勝手な契約が締結しやすいためです。
闇金業者の典型的な手口としては、次の2つのパターンがあります。いずれも最初は売掛債権の売却による資金調達だったのが、いつの間にか融資の話に切り替わります。そして最終的には金銭消費貸借契約を結ばされ、法外な金利の請求をしてくることになります。
【手口のパターンその1】
ファクタリング会社が利用企業や事業者と償還請求権の付かない債権譲渡契約(ノンリコース契約)を締結し、買い取り代金を入金してきます。売掛先企業が倒産し、売掛代金の入金が不可能になります。
そしてノンリコース契約であったにもかかわらず、利用企業や事業者に法外な金利の支払いと貸付けた資金の返還を要求してくるのです。この場合、ノンリコース契約ではファクタリング会社側が売掛債権の代金未回収リスクを全面的に負い、売掛先企業から入金されない場合でも利用者に返還するように請求することはできません。
ただし、闇金業者はリコース契約としていれば、貸金業法上の業者登録義務があるがために契約上はノンリコース契約とします。そして貸金業者ではないという主張をしてきます。
【手口のパターンその2】
まず、ファクタリング会社が利用企業や事業者に対し、売掛債権は買い取らずに実際には担保として貸付けます。そして売掛先企業から利用企業や事業者に入金があると、その代金はファクタリング会社に返済分として引き渡されます。そしてその際に闇金業者は法外な金利を請求してきます。
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